Ce n'est rien.

Railtrip Landscape History

プロイセンと高輪と麻布


前回の続きです。

南北線に乗って、白金台にやって来ました。
左に見える建物は、明治学院大学のキャンパスですよ。


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国道一号を渡って、西側から東側へ、
白金台から、高輪へと入ります。



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高輪のまちは、タワーマンションが建っているかと思えば、
古い民家や、地元の人のための小さな商店もあって、それらの間には、こんな路地の姿も。



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路地のあちこちを行ったり来たり、ウロキョロしながら、
私は、あるひとつのお寺を探しました。

そして、20分から30分ほど経過した頃、とうとう見つけました。
こちら、広岳院さんです。



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広岳院は、幕末の、1865年から1866年までの1年間、
プロイセン王国の、領事館であり宿舎ともなったお寺なんだそうです。
(港区の説明板より)

1858年に、日本と米・英・仏・露・蘭は修好通商条約を結び、
1859年に開港すると、各国は、江戸と横浜に公使館・領事館を設置したのですが、

当初、各国は、幕府からお寺を貸与されて、そこを仮の公使館・領事館としていたようです。
そういうのを、テンプル・レジデンス ( temple residence ) というみたい。

おそらく、開港直後で何かと混乱していたこともあって、
公式な建設地が決定されるまでのあいだ、お寺を利用したんじゃないかな、と思う。



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上の写真は、東海大学の高輪キャンパスの、
正門前にあった説明板の古地図に、私がちょっとだけお絵かきをしたもの。

黒い線で縁取りされているのが、東海大学の敷地で、
その対面に、プロイセン領事館があった広岳院 (廣岳院) の文字が見えます。

この高輪には、プロイセンのほかにも、
東禅寺にはイギリス公使館 (1859 - 1865) が、長應寺にはオランダ領事館 (1868 - ?) がありました。



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その後、プロイセンは、1866年に、
領事館を、高輪の広岳院から、麻布へと移転させます。

ということで、私はまたも南北線に乗って、麻布十番駅で下車。
そして、駅の南西、麻布から広尾方面へと向かう道、仙台坂へ。

gooの江戸切絵図を見てみると、仙台坂の南側には、「 松平陸奥守 」 の文字があり、
江戸時代は、仙台藩伊達家の下屋敷だったようです。 (wiki 仙台坂より)

(goo古地図 江戸切絵図 / 麻布)
http://map.goo.ne.jp/history/edo/map/21/

現在の仙台坂は、あちこちで警備が厳重なので、
空気を読んで、坂の写真を撮るのは諦めました ....... 。


江戸切絵図には、松平陸奥守の敷地から仙台坂を挟んだ対面に、
春桃院 」 というお寺の名前が記されています。

高輪の広岳院から麻布に移転してきたプロイセンは、
その春桃院に、1866年から、1872年まで領事館を設置したんです。
(港区の説明板より)

下の写真が、古地図で 「 春桃院 」 とされている場所の、現在の様子です。
春桃院は別の場所に移転したようで、いまは駐車場になってます。



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プロイセン領事として来日していた、マックス・フォン・ブラントは、
1867年に、日本駐在の代理公使に昇任し、

江戸に出て幕府と交渉するとき、春桃院を宿舎とし、事務を執りました。
そのことで、春桃院が、江戸におけるプロイセン公使館となりました。
(港区の説明板より)

そして、1871年にドイツ帝国が成立し、
プロイセン公使館から、ドイツ公使館となり、

1872年に、麻布の春桃院から、永田町へと移転。
1945年まで、現在の国立国会図書館のところにドイツ公使館・大使館を置いた。


公使と領事の違いについて、
wiki の外交官、領事、領事館のページをチェックする限りでは、

公使には、自国を代表して相手国政府と政治的な交渉を行う権限があるが、
領事にはその権限はなく、滞在している自国民の保護などを主な職務とする。

現在と比べて本国との距離がはるかに遠いこの時代に、
外交交渉の権限のあるなしは、大きな違いのように思えますね。

アメリカのハリス、イギリスのオールコック、フランスのベルクール、
いずれも領事として来日して、まもなく公使に昇任している。



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仙台坂から、さらに西へ進み、南部坂へ。

南部坂には、ドイツ大使館があります。
第二次大戦後、西ドイツが設置した大使館が、もとになっているようです。



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