TAKE YOU FOR A WALK

When The Setting Sun

青山斎場、或S病院の跡地


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港区にある青山斎場では、1916年に夏目漱石の葬儀が行われ、
その受付を漱石門下にあった芥川龍之介が務めた。

芥川龍之介の小説『歯車』のなかで、
「僕」は、青山の墓地に近い或精神病院へ行こうと、

緑のタクシイをおりて歩くのだが、どうしてか道を間違えて、
青山斎場に出てしまう、という描写がある。

「僕」が行こうとした或精神病院とは、
かつて青山に所在した脳病院で、その患者であった芥川龍之介は、
院長の斎藤茂吉のもとで受診中に自殺した。

「青山脳病院」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2017年12月15日 (金) 08:24
URL: http://ja.wikipedia.org/wiki/青山脳病院

「芥川龍之介」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2018年3月27日 (火) 15:34
URL: http://ja.wikipedia.org/wiki/芥川龍之介




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『歯車』は、芥川龍之介が自殺した1927年に発表された小説で、
精神的にかなり衰弱した状態にあったとされていますが、

間の抜けたような心理描写や、たびたびのオブジェの出現、
それらの暗示が、まるでシュルレアリスム作品のようだと思う。

龍之介が自殺した1927年は、生前死後に、
『河童』『西方の人』『或阿呆の一生』『歯車』が発表されている。

そのうち、『或阿呆の一生』『歯車』のなかに
古代ギリシャ神話のイカルスが登場する。



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「彼は空中に舞い上った挙句、太陽の光に翼を焼かれ、
とうとう海中に溺死していた。」
『歯車』

それは、天上から地上へ登ろうとして落下したように、『西方の人』
「僕」が河童の国へと転げて落下したように。『河童』

河童の子どもは、河童の母親の胎内から出る前に、
この国に生まれて来たいかどうか、河童の父親に尋ねられるという。

「しかし僕はふとした拍子に、
この国へ転げ落ちてしまったのです。」
『河童』



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 近代文学 芥川龍之介

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