FOR A WALK

in the landscape

Tag: 本

役立たずを育む

 15, 2018

砧公園の世田谷美術館でブルーノ・ムナーリ展を見てきました。ムナーリは、20世紀前半のイタリアの芸術家で、「役に立たない機械」の制作者です。私の部屋にある機械、スマートフォン、冷蔵庫、電子レンジ、エアコン、カメラ、湯沸かし器、どれも役に立つ機械ばかり。役に立たない機械は、非生産的で、非効率で、不合理で、なにも造らず、なにも為さず、単なる役立たず、まさに無用の存在......、そこで意味を持ってくる、役に立た...

郊外の田園の憂鬱

 18, 2018

小田急線の鶴川駅から、田園都市線の市が尾駅まで歩く。ここ、横浜市の鉄町は、佐藤春夫の小説、『田園の憂鬱』の舞台となった場所らしい。郊外の田園の憂鬱。古臭い農家思想に育つも運命。周囲とのギャップも、ニヒリズムも運命。萩原朔太郎の詩に共感するも、太宰治の作品に苦悶するも。自分の過去を見つめ、生まれをあぶりだし、その生まれの自分を殺す。運命に降参せず、まわりも気にせず、まさに平気で戦おう。それは宿命にあ...

われらは、ひとしく

 27, 2018

われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。日本国憲法の前文の一部雑誌「MONKEY vol.16」に、日本国憲法の前文が掲載されており、それを見て、触発されて、文庫本サイズの日本国憲法を300円で購入。ページをペラペラめくる。学生のころ憲法について勉強したことを、大人になると忘れてしまう。もしも、みんなが憲法を忘れたら...、自己責任で自分を守ることがで...

又くる光

 10, 2018

くるりのアルバムをレンタルしまくってます。さよならストレンジャーTHE WORLD IS MINETOWER OF MUSIC LOVER僕の住んでいた街THE PIERくるりとチオビタ琥珀色の街、上海蟹の朝これまでほとんど聴いてこなかったので、お店の棚から順々に、ジャケットと帯コメで判断して、どれを借りるか選んでいます。ファンの人それぞれに最高の1枚があるんでしょうね。どれが好きなんだろう?岸田さんと又吉さんの対談をみたのがキッカケで、くる...

色を重ねる

 25, 2018

広島の平和記念公園にある、峠三吉の詩碑。「ちちをかえせ ははをかえせ」『原爆詩集』の“序”が記されています。峠三吉の『原爆詩集』(岩波文庫)を買ってしばらく経つのですが、なかなかページをめくることができずにいます。表現があまりにも恐ろしく、空間の内部に飛びこむようで、臆病になり、思わず本を閉じてしまう。平和記念資料館を見学したあと、広島のまちを散歩。被爆地蔵、被爆ポンプ、慰霊碑。町のなかで、日々の生...

「縄文土器 JOMON」上野東京国立博物館

 19, 2018

最近、縄文土器に対して熱い人が増えていて、ひそかに注目を集めつつある、そう聞いてました。私も興味はあったのですが、土器の世界は未体験なので、はたして自分も興奮できるのかどうか、半信半疑でした。そんな心持ちのなか行ってみました、上野の東京国立博物館、「縄文 JOMON 1万年の美の鼓動」来ました、私にもガツンと来ました。ガンガンにガン見してきました。会場のみなさんも興奮状態で、縄文の情熱にあふれてましたよ。...

クレエゲル

 25, 2017

先日の、スカパーのニュースザップ(12/15)。「前近代と、後期近代の、どっちか判断つかないようなところにいるのが日本」という、批評家の大澤聡さんの発言は、私がこの数年考えていたことに、なんとなくだけど響くものがあった。以下は、それを受けた私の考えで、とても現代的な人間がいるかと思えば、すごく封建的な人間がいたり、生活は利己主義の消費型、でも、性格は家父長制の主従型だったり。おそらく個人のなかで、その...

夏目坂、漱石山房

 15, 2017

東京メトロ副都心線の西早稲田駅を出て、学習院女子大学のわきを歩き、戸山公園(箱根山)へ。少年たちの野球を見ながら、ワセダベーカリーのパンを食べたあと、早稲田大学の手前にある、穴八幡宮をお参りしました。穴八幡宮は、蟲封じの祈祷で有名なんだそうで、かつて、夏目漱石の夫人が、漱石の蟲封じにお参りをしたという。境内からすこし歩くと、東京メトロ東西線の早稲田駅の出入口があり、そこから南へと伸びる坂は、夏目坂...

平和島駅のまわり

 11, 2017

萩原朔太郎詩集をカバンに入れたまま、平和島駅から大森町駅のあいだを散歩。旧東海道の道筋だという、三原通りの商店街は、月に一度の安売りセールで、店舗まえに机を出して販売していた。詩人の住みよくない時代というのは、時代のほうがどこか間違っている萩原朔太郎詩集 解説何年か前に読んで、まったく意味が分からなかった『萩原朔太郎詩集』(新潮文庫)。数年たち、『猫町』(岩波文庫)を読んでからというもの、萩原朔太...

cat has no future

 30, 2017

上田の本屋さんが薦めてくれた、ねこに未来はない、長田弘さんのエッセー。ねこと暮らしたかった夫婦が、ようやく飼うことができたねこが、次々と、失踪したり、殺されたりしてしまう。ハッピーなことはあまり起こらないんだけど、そのことでかえって、自分の町にいる猫たちのことが頭をよぎる。そういえば、私が、近所の空き地でよく見かけたねこは、空き地が分譲住宅になってからは、どこへ行ったのだろう。古い農家の小屋に、ひ...